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内因、外因、不内外因。

投稿日:2017年7月28日 更新日:

こんにちは竹前です。

涼しかったり、暑かったり、なんともなお天気ですね。
今日も東洋医学的なウンチクを、皆様の健康作りのお役に立てて頂ければ幸いです。

東洋医学の基本的な病理学?病気の原因の分類として、
内因、外因、不内外因という概念が有ります。

内因とは

その人の感情の事で。主に精神面を重視しています。
この精神面の在り方が、病を作る?出来てしまうと考えます。

「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」これを七情と呼んで感情が体に影響を与えると考えています。七情はそれぞれ特定の臓器と関連しています。

喜は心、怒は肝、憂は肺、思は脾、悲は肺、恐・驚は腎となります。

例えば
怒ると肝を痛め、考えすぎると脾(膵臓)を傷めるという具合です。
自分自身が健やかなる感情であることが、自分で出来る治療の一つになります。

なので、クレーマーやモンスターなにがし。も必ずと言っていいほど、後々病気になりますし。もう、すでに病んでいる可能性は高い。と思います。

検査数値に出たら、画像に出たら病気。ではなく、自分自身の思う理想の感情で生きられない事も病む事と竹前は考えます。

不平、不満、妬み、恨み、憎しみ、悲しみ。

度を超すようで有ればそれもそれで不調のサインとなります。

外因とは

体の外から侵入してくるもののことです。
主に気候の変化によるもので「風・寒・暑・湿・燥・火(激しい熱)」に分類して、これを「六淫」、「六邪」、「外邪」と呼んでいます。
外気温や湿度や風などですよね。

冬は寒く、神経痛や冷えにまつわるなど。こういう病気が多い。
梅雨は湿度が多く、めまい。耳鳴り。不安感。こういう病気が多い。

とか、詳細は避けますが、季節ごとに体質は変わり、外気や湿度によって病みやすい症状も異なります。また。外気によって、感情も影響を受けます。
冷えれば不安。
熱ければイケイケ。
湿度でズクズク悶々と考え。
乾燥?秋?には、ため息の出やすい気持ちになります。

不内外因とは

内因にも外因にも当てはまらないものです。暴飲暴食や疲労、外傷などがこれに当たります。

こういう点、感情の在り方や季節感などを踏まえますと、一年の生活習慣から体質を改善し、治療効果を高める事が出来ますし、無駄に感情に支配され、後で反省するようなことも減るかと思います。

例えば
春に肝臓を傷める(弱らせる)と怒りが出やすくなります。
怒れば肝臓を傷めます。
結果、「気」が短くなります。

結果的にどうでも良いつまらない事に「怒り」を覚えるようになったりします。遅い車を煽ったり、
駅で人にぶつかりにいったり。
※わりとこういう時は、ぶつかりに行ってる意識は弱く。ぶつかれた。と認識している事が多いです。
最悪、たちの悪いチンピラモードです。
この怒りの沸点をコントロールするのが養生方法です。

ただ、全ての「怒り」が悪では有りません。
アンガーマネージメントを行い過ぎて不調になる方も居ます。
理不尽や問題が有り、身体は怒っているのに自分自身の理屈理論で怒りを抑えて発散させない訳ですから不具合は出ます。

この違いを伝えるのが難しいのですが、多分「叱る」のと「怒る」の違いです。
感情に任せて怒る事と、理論的に叱る事は、似てるようで異なります。
ここもきちんと書くと長いので端折りますが、すべての感情を殺す事が善では有りません。

自分自身の信念に基づいて、叱る事は全然良い事です。ただ。その信念は貴方のもので有って全ての人に当てはまるものでは無いことは考えられると良いかと思います。

そして東洋医学では、「元気」という単語も有ります。
元の気の状態にすることです。

この短気な方々の元来を考えます。
お酒が飲める方の本来と言うのは、
肝(キモ)がデカい。
肝(キモ)が据わっている。
度胸が有る。
という印象です。
一方で、酒がめっぽう強い特徴も持ち合わせています。
若い時は貫禄があった事だと思います。
ところが徐々に一生をかけて、少しづつ肝臓を傷めます。

そして奥様に、怒りの沸点が低くなり。
貴方、最近なにつまらない事にカッカしてんの?
いやになっちゃう。
とか言われて、なにを~!!となってしまったりします。

元気になることで、以前の貫禄のあるころに戻ることが理想的です。ちなみに、上記は割と男性に起きがちです。

女性では、膵臓(脾)でも似たようなことが有ります。
ほんまでっかTVで「スイーツ女子は怒りんぼう」という話が有りました。

膵臓(脾)が大きな人は元来、ほんわかした優しい方が多いです。
しかし毎日、毎日、甘い物を食べ続ける。
そして、毎日、毎日、考える。
※脾(膵臓)の感情は思い憂うです。
大量の糖が、毎日入ってくる。
一日の糖分は、米で足りてますが・・・
その何倍も、お菓子やスイーツなどで砂糖や危険な人工甘味料を摂取します。

身体は多すぎる糖分を抑える機能が進化します。
血中の糖分を下げようとします。
結果、甘い物を食べるほどに低血糖になる。
そして、低血糖になる=イライラする。
イライラを抑える為に、甘い物を食べる。
多すぎる甘い物の為に膵臓が傷む。
結果的に、糖尿病になります。

糖尿病の方が、少々気が短いのは多くの方がご存知かと思います。
更に膵臓癌になるリスクも高くなります。
そして、膵臓の場合、イライラも有りますが・・・。
もう一つ、考えすぎる。思い。憂う。です。

簡単に言うと、抑鬱症状です。
ああでもないこうでもない。ズクズク、悶々、考えて考えて、
決められない。
は?一日終わっちゃった!!みたいな。

これを養生に活かすとなると、

肝の場合、
怒る前に深呼吸して三秒数える。自分の短気ではないか?
冷静に叱るようにする。
※ちなみに、怒る事。叱る事。は視点を変えると否定でも有ります。
世の中鏡ですから、相手の長所。ほめるべき点もお忘れなく。簡単に言うと、そのうち誰もあなたの言ってることに賛同、同調しなくなります。
お酒に限らず肝臓を大切にしましょう。
添加物(薬)なども肝臓に溜まります。
余った糖質も油に変えて肝臓に溜まります。

脾(膵臓)の場合。
考えすぎない事。
好き嫌い、良いと思った最初の印象や直観などの感情で決める努力をする。
失敗を恐れず、成功の元にする。
甘い物、酒を自分の体質や状態に合わせてコントロールする。
※閾値越えすると、コントロールが難しくなります。ゆとりが有ると容易に辞められます。

どこが痛くなくても、感情、怒りの沸点も立派なサインです。
なんでこんなつまらない事に怒ってるんだろう?
※気が付いている間は、まだ軽度です。重度になると怒りを維持でも正当化します。クレーマー。モンスター。と呼ばれる類になります。暴力やDVも同じ傾向が有ります。

鍼灸を一発で治すところ。みたいに思ってる方も沢山いると思いますが、
東洋医学の基本は、予防医学です。
東洋医学に於いて、圧倒的に「短気は損気」です。
短気にならない自分を作っていくことも、豊かな精神性を作ります。

そして、病気も健康も自分自身で作るものと考えます。
まずは、一日一回もイラつかない。そんな心身を作ることを心掛けて頂くと、なかなか治らない物、痛みなどが、すーーーっと治る傾向が有ったりします。
良い治療を受けると感情の沸点が低くなります。
痛い場所が痛く無くなればいい。と言うのも有りますが、何度も繰り返すようであれば、何となく、怒らなくなる。ゆとりが増える。そんな治療のチョイスの仕方もおススメです。

経済的な豊かさも大切ですが、こころの豊かさも伝われば幸いです。

ちなみに、強すぎる自己正当化、正義感が犠牲者の怨念を喰う事が有ります。
自分が普通。常識。という自己中心的な(?)イメージです。
これは、誤解があると意味が違ってしまうので・・・少し補足しますが、協調性が有っても、自己中心的な性質は有ります。
自分を殺して、嫌な事でもやる。相手に合わせる事が普通。常識。と考える事が正しいとは限らないんですね。
もちろん、心から相手を思いやって、その思考と行動で有れば良いのです。

ただ、
自分が好かれたい。
自分が嫌われたくない。
こんなにしてあげてるのに。
私も嫌な思いしてるんだから、貴方もしなさいよ。
的な発想で有れば、
協調性は無くても貴方のやりたい事に、
良いじゃん!!やりなよ!!自分の好きな事を好きなだけやりなよ!!
と賛同してくれる、自分勝手で自己中心的な人の方が、心身は健やかである傾向は有ると思います。

最後に少しカルトな話に触れておきますね。
戦争は「正義」の名のもとに行われます。
民間人、女、子供を正義の名のもとに殺します。
それと宗教は密接です。宗教ごとの正義の名のもとに聖戦をするのが戦争です。自分の正義、自分の普通や常識を他人に強要することです。
思いやりも受容も承認も有りません。
戦争は「否定」「拒絶」「排他」です。

でも、だいたいの人が求めている事は「受容」と「承認」です。
かっこよく言うと「愛」です。
この世の中、鏡です。
人の問題点、間違いを注意、指摘することより、
人の良いところを指摘することがおススメです。

これも治療と思います。

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