腰痛症

腰痛に鍼灸は効くのか

90%治ります。努力次第で残りの10%を0%にも出来ます。
整形外科や整骨院、マッサージなどに通って誤魔化してきた方もいると思いますが、それはやはり誤魔化しているだけで治る事はありません。何なら悪化しているのではないのでしょうか?当院ではそのような患者さんを診てきているので、割とあるあるな話だったりします。
初めの内はマッサージのコリをほぐしてもらった気になり、慢性的に腰痛が気になるようになってきたら整骨院で安く身体を診てもらい、痛みが酷くなってきたら痛み止めを飲む。そんなルーティーンを辿った方々の末路をよく知っています。そしてそういった方がいらっしゃる度に最初から鍼灸を受けて頂ければ、と思ってしまいます。
スポーツの世界ではマッサージよりも鍼灸が重宝され、日々のケア、故障時の治療、パフォーマンスを上げる為の可動域の確保などにも利用されています。

この様なページを見て頂いているという事は、恐らく他の治療も検討中、もしくは正に通っている最中なのかもしれませんが、他の治療と比較しても鍼灸というのは頭一つ抜けているように思えます。
例えば、マッサージなどと比較すれば10倍の効果はあります
というよりも、マッサージに行っても治りません。特に揉みを主体とするサービス的なマッサージというのは論外だと思います。治療を売りとしている手技を行う所もありますが、治療効果のある施術を提供出来ているのを探すのは、森から一本の木を探すくらい難しいと思います。治らないところへ繰り返し行くことで、より状態を悪くしている事にいち早く気付いて下さい。
ちょっとオーバーなように思えますが、実際に某大学が可動域などを測ったところ、それだけの差が出た結果が出ています。その際にマッサージは可動域が狭まるという事が分かっていますので、身体の事を考えるとどちらが良いのか、というのは明白ではないのでしょうか。揉めば揉むほど硬くなるという事を知って頂ければと思います。
一度ご自身の身体で比較してみて頂ければその違いが分かるかと思いますので、是非お試しください。

腰痛に伴う不安感にも効くのか

「このまま腰痛を抱えたまま生きていくのか」「出先で腰が悪くなってしまうんではないのか」そんな不安感を普段から抱えたまま生活しているような方がこのページを見ているのかもしれませんが、その不安がどこから来ているのか知りたくはありませんか?

実は不安感や恐怖感というのは、腰痛を持っている方特有の感覚で、程度が悪くなればなるほど、これらの感覚を持つ傾向にあります。逆も然りで、不安感を強く持つ人、心配性な方というのは腰痛を感じやすい傾向にあると言われています。とある大学病院では腰痛の治療に、抗うつ薬を使うといった話もあるくらいです。

つまり、性格的なものもあるかもしれませんが、実は体調によるものが大きいのでは考えられます。
上記の大学の考えからすれば、不安感というものを取り除けば腰痛が改善するであろうという考えの元、抗うつ薬の処方に至っていると思うのですが、実際はどちらからのアプローチでも効果があるように今迄の経験から感じております。

そもそも不安や恐怖といった感情と腰痛というのは東洋医学ではごくごく当たり前の組み合わせで、程度にもよりますが、鍼灸師であれば比較的容易に改善させることが出来る症状の一つだと思うはずです。
ということで、腰痛に鍼灸は効くのか?と問われれば、答えはイエスとなります。細かい説明は「鍼灸治療で出来る事」でさせて頂いていますので、こちらをお読み頂けると理解が深まるかと思います。

勿論不安感が無くても同様に効果はあります。
特にギックリ腰のような急性腰痛であれば場合によっては1回で改善させることも可能です
慢性腰痛というのは、大腸がんや子宮筋腫といった内科症状によって引き起こされる事もあります。その場合は根っことなる内科症状の事を考えなければなりませんが、一緒に考えて治療をする事が出来るのが鍼灸の強みになります。筋肉だけでなく、内臓の治療もし、多角的な視点で痛みを取る事で、結果的に他の治療よりも素早く症状を改善する事ができます。

腰痛症の治療論

現代医学において腰痛というのは実は原因不明とされている部分が多く、腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄症など、何かしらの変性などがないと治療方法がないとされています。
その為、その場しのぎの対症療法的になってしまう事が多く、例えば腰痛ベルト(いわゆるコルセット)や、痛み止めや神経ブロック注射のような薬を頼ったりしてしまいがちです。何をどうしたらよいのか迷走してしまう方なんかは、マットレスなんかも気にしてみたりして、そこからどんどんあらぬ方向へ行ってしまったりなんて事もあったりします。

率直にいうと、原因不明の原因はお医者さんが身体を触らないからだと思っていて、身体を触れば腰に硬さがあるとか、お腹に違和感があるとか少なからず解る事が有ります。
もちろんそれだけでは原因が解ったとは言えないとは思いますが、東洋医学では患者の訴える症状や触ってみて異常が感じられる部位、生活習慣などから腰痛が起こる原因を比較的簡単に見つけることができます。
これは当院に限らず、どの鍼灸院でもそうだと思います。患部のレントゲンやMRIを撮っても解らないことが鍼灸師には解ります。というより大半の腰痛はレントゲンやMRIを撮る必要がないものだと思います。
逆に撮る必要があるものであったり原因がハッキリとあるものというのも、触ったり診たりすれば解ります。撮る前に分かった場合は一度そういうものを撮ってみる事をこちらからもおススメ致します。

腰痛というのは実際はもっと基本的な部分に原因がある事がほとんどですので、毎日コツコツと出来るのであれば、ご自身にあったストレッチや運動などを考えて、徐々に本来の腰の状態に戻す事は可能です。
ただ、それでは時間も掛かるし、自己管理というのは習慣づくまでは少し面倒な部分がある為、早く楽に治したいという点で鍼灸というのがオススメです。また当院ではセルフケアが出来るように治療の際に家で出来るケアも一緒にお伝えさせて頂いております。

原因が解れば後は治療するだけですので、一回一回の治療経過を見ながら着実に腰痛を感じる時間を減らしていく事が出来ます。脊柱管狭窄症やすべり症といったものも簡単とまでは言いませんが確実に効果がありますので、是非お試し頂ければと思います。
自分自身では気付いていない様な悪習や姿勢の悪さなどにも、話をしている間に気付く方もいらっしゃいますので、そうなればより早く良く治るはずです。

腰痛の原因

筋肉から考える

腰痛症を治療していくにあたって、腰痛の原因になっているのではないかと言われている物がいくつか挙げられていますので、まずはそれらの説明からさせて頂きます。
原因でよく挙げられるものとしてまず、大腰筋という筋肉が悪さをしてると言われています。大腰筋というのは腰椎の横から大腿骨の股関節近くに付着していて、股関節の屈曲と軽い外旋(足を開く様な動き)を行います。

大腰筋

ここが収縮し硬くなることで、腰の骨が引っ張られて姿勢を悪くします。そして大腰筋を含め、骨盤内を通る腰を支える筋肉が弱り、腰が痛くなる原因をつくります。姿勢というのは簡単にいうとお腹を突き出した様な形(反り腰)になります。
背骨には一つ一つ間に椎間板というクッションの役割を持つものがあり、背骨と背骨の間に隙間を作り、そこから神経が伸びるようになっています。この姿勢でいると、背骨を支える筋肉が使われなくなり、骨だけで身体を支え、クッションを圧し潰す様な状態になります。
そうなると背骨、特に腰椎の隙間が無くなっていき、神経や血管といったものを挟み込み、痛みや痺れ、血流障害などを引き起こします。また、支える筋肉が弱るということは安定性を失う為、過度な負荷や急な運動に弱くなります。

ぎっくり腰や腰椎ヘルニアや脊椎分離症、すべり症といったものも、支える筋肉が弱ると起こる症状の一部と言えます。
腸骨筋というのも大腰筋と同じ様な役割を持っていて、二つを合わせて腸腰筋などと呼んだりします。
現代医学ではこの腸腰筋が原因になっているのではないか、と言われていますが、まだ現段階では詳しくは解ってない状態になっています。腰というのは人の姿勢を保つ為にも、動く為にも重要な役割を持つ部分になります。
ここが悪くなれば先にも書いた通り、姿勢は悪くなりますし、歩くことにも支障がでます。そんな要になる部分が筋肉だけが要因で悪くなるかと言われれば、それはやはり違うと思います。
筋肉を主にした考えでは腸腰筋が腰痛の大部分とされていますが、他の神経も一緒に考えていくとそれだけでは無い事が少しだけ理解できます。

内臓から考える

東洋医学では胃や腎臓が疲れることでも腰に症状が出ると言われています。これが何故なのか、現代医学から見ても解る部分があります。
腰から伸びる神経というのは、足腰を動かす為の神経だけではなく、内臓へ伸びる神経があります。それがミソになるのですが、人の身体には反射という機能があります。
反射というのは、特定の動作や反応があった時に身体を防衛する為にその動作を阻止したり、拒否反応を示したりする様な物であったり、身体の異常があった場合に本来起きない動作が特定の条件化で起きたりするものを指します。

また反射の中には、
内臓の働きによって身体の一部に反応が出る、内臓ー体性反射。
ある内臓が特定の条件下で別の内臓に働きを促す、内臓ー内臓反射。
身体の一部が動いたり刺激を受けることで内臓へ反応が起こる、体性ー内臓反射。

というものもあります。
本来神経の伝達というのは末梢から脊髄に行き、脳へ行き折り返してくる流れなのですが、反射というのは脊髄から脳へ行かずに末梢へ戻ってきます。
この様な原理からなのか、内臓を支配している神経が伸びて来る部位とその付近の筋肉というのはセットで反応します。逆も然りで、筋肉の状態によって、その部位から伸びる神経の支配を受けた臓器の状態は変わっていきます。

腰というのは主に腎臓、膀胱、少し上では胃なども支配する神経が伸びています。更に仙骨部分まで含めれば子宮などにも関わってきます。つまりここまでの話から考えると、腎臓、膀胱、胃、子宮が疲れることによっても腰痛は起こるものと考えられます
ここから先は東洋医学的な話になってしまうのですが、腎臓が疲れる要因としては、夜更かし、冷えがまず考えられます。冷えというと伝わりづらいかもしれませんが、冷たい物に触れたり摂取したりといった直接的な冷刺激もそうなのですが、飲食物の性質によって起こる冷えが気付かずに身体を蝕んでいることが多いです。

食生活からも考える

まず考えられる物としては南国の飲食物です。南国のものというのは暑いところで育ってきた分、逆にその土地の人達が暑さに耐える為に冷やす作用を持っています。それを考えてみますと、コーヒーやバナナ、砂糖(トウキビ)なども南国の物なので、身体を冷やす作用があると言えます。
日常的に摂取するものなので気付きづらいですが、これを減らすか減らさないかで腎臓への負担が変わり、腰痛が出る出ないに関わってきます。
腰が何となく弱々しく、下っ腹が出てしまっている方は、一度こういった食生活も含めた日常生活を見直してみる事をオススメします。

また、胃の調子も関わってくると言いましたが、胃もたれや胃炎といった症状を抱える方というのは、大体の方が腰から背中にかけて突っ張った感覚を持っています。これもやはり胃の支配神経が伸びているからなのか、疲れが筋肉に表れます。この張りを緩めるだけでも胃の調子というのは整っていきます。
鍼灸が内臓の調子を引き上げることを可能としているのは、こういった内臓からの反応を利用してるからだともいえます。
これらのことから腰痛の問題点を1つにせず、筋肉、内臓、生活習慣などトータルに診ていくことが重要になってきます。整形外科等ではここまで考えてはくれないと思いますので、この様な理由からも鍼灸がオススメです。

鍼灸治療で出来る事

神経痛や筋肉を緩めるという事に関しては、鍼灸が一番効き目があるのは間違いないと思います。そして先に説明した、腸腰筋のような深い所にある筋肉というのは他の手技などではまず緩められませんので、そういう点でも鍼灸が便利です。
鍼は刺す事によって、ポリモーダル受容器というものを興奮させ、軸索反射によって神経伝達物質を放出し、フレア現象というものを起こします。その際に内因性鎮痛機構によって刺激部位周辺の鎮痛が行われます。
と言いましたが簡単な話、鍼を刺す事によってその周囲の血管が拡張し、一緒に痛みを鎮めてくれるという作用が起きます。血管が拡張すれば、固まってしまって血流が悪くなった筋肉にも血液が供給され、本来の柔軟性を取り戻す事ができます。つまり奥深くで固まってしまった腸腰筋なんかもピンポイントに緩めてあげる事が出来る訳です。

また、内臓を考えた治療が出来るのも鍼灸の強みです。
鍼灸で腰痛と言われたらまず真っ先に「腎」について考えられます。この「腎」というのが最初の方でも言った、不安や恐怖と腰痛が係わってくるキモになります。
いわゆる腎臓なのですが、腎臓を疲弊させれば腰痛や不安が生まれ、腰回りの血流が落ちて腰痛が起きるようだと腎臓も疲れて不安が生まれ、心配事が多かったり恐怖を感じるような事が多いとこれまた腎臓が疲弊して腰痛で出る、といった感じになります。

このような事から不安感というのも筋肉、内臓からも考れば、治療を重ねる毎に改善が見られはずです。また、不安や恐怖と関連が深い「腎」は腰痛を引き起こす一番の原因である為、その「腎」を労わるような治療や生活を考える事が出来れば改善は容易です。その辺りのフォローやアドバイスも一緒にさせて頂きますので、一緒に改善して頂ければ回復も早くなります。
腰回りの血流の改善自体がまず「腎」に効果が期待できるのと、「腎」の経絡を追った治療が出来れば、腰回りだけでなく全身からアプローチをかけてあげる事もできますが、これは鍼灸ならではの考え方なのではないのでしょうか。
初めの内は少し気怠いような感覚を持つかもしれませんが、自然と生活での行動範囲も拡がり、ご自身で色々動けるようになると、自信が持て、いつの間にか不安感と一緒に腰痛もかなりの改善が見られるようになっているかと思います。

また、胃の調子を鍼灸でコントロールするのは研究もされていて、胃の痛みの緩和、逆に胃もたれなどの不調にも改善が見られる事が分かっています。
この様にその時々の内臓の状態を診て、より良い状態へ改善する事ができれば、内臓からくる腰痛に対しても結果が得られるという事になります。

鍼灸での腰痛治療というのは、シンプルなようで内臓や精神面といった所まで考えられた面白い治療だと思います。今、腰痛治療で壁に当たっている方はこのような多角的な視点で考えられた治療をオススメ致します。

婦人科疾患胃腸症状坐骨神経痛の3つも一緒に参考にして頂けると尚、腰痛への理解が深まるかと思います。

補足

腰痛ベルト(コルセット)の使用についての質問をよく受けますので、ここで少しお話させて頂きます。
腰痛の原因となる理由の一つとして、腰回りの筋肉が弱り、骨を自身の筋肉でグッと支える事ができなくなってしまう事によって、椎間板に負担がかかり、神経や血管の流れを阻害してしまい痛みが出たりします。
腰痛ベルトの役割というのは、締め付ける事によって骨をグッと立たせ、本来ならば筋肉で支えるものを腰痛ベルトによって支える事になります。だから症状としては実際に楽になる事は楽になります。

が、問題はその先で、筋肉の代わりに腰痛ベルトが支えるという事は、その間筋肉は仕事をしなくなります。本当に最低限といったところでしょうか。仕事をしなくなった筋肉というのは衰える一方ですので、より一層骨を支える事が困難になっていきます。
つまり、腰痛ベルトを使えば使うだけ腰痛の改善からは遠のき、行く行くはベルトがあっても辛くなってしまいます。そうなる前によく歩いたりして、腰や骨盤底筋群といったものをしっかりと育ててあげる事が大事になってきます。
腰痛ベルト自体は悪いものではありませんが、それに頼り切ってしまうのはとても危険です。腰が抜けたりして歩行困難になってしまった場合などに、一時的に使用して頂き、多少腰の力が戻ってきたら、まずは着けたままで歩いて頂き、外しても歩けるぐらいになったら、多少の痛みを伴っていてもそのまま何も着けずに歩いて頂くのが腰痛改善の近道になります。
慢性的な腰痛の場合はベルトは巻かないで生活して頂くのが賢明です。

腰痛症について(おまけ)

腰痛は筋肉だけでなく内臓からもきますが、このページで挙げたような腎臓、膀胱、胃の他にも、女性特有の症状でも関連して腰痛が出ます。
身体の要になる部分ですので、放置して良い事など一つもありません。違和感を感じたら直ぐに治すぐらいの気構えで腰というものを考えて頂ければ、あまり不自由せずに生活できるはずです。

投稿日:2019年4月4日 更新日:

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